♦基本メンテナンス♦
エンジンオイルはメンテナンスの基本中の基本であり、人間で言えば血液にあたる。
エンジン内部は常に金属の擦れ合いなので、それを潤滑するエンジンオイルはとても大事。
オイル交換の仕方次第で車の寿命は大幅に変わる。
★エンジンオイルの選び方の基本
オイルにはメーカーやオイルのブランド名のほかに、アルファベットや数字の表示があります。
まず、品質規格ではAPIというのがあって、ガソリンエンジン用ではSの後ろに付くアルファベットで
ランクが分かります。最新のものは「SL」というものです。
これより一つ前は、「SJ」という規格で、今のところはこちらの方多いと思います。
店頭には、Jより前のSHなどを見かけることもありますが、今となっては、あえて選ぶ理由はないでし
ょう。
★オイル交換を頻繁にする理由は?
オイルは、エンジンを始め、トランスミッション(変速機)やデファレンシャル、パワーステアリン
グ(フルードともいいますが)、エアコンなどなど、回転部分の潤滑に欠かせないものです。交換時
期は走行距離で決めるのが普通です。今のクルマだと、ガソリン車のNA(自然吸気)で15000q、ターボ車で5000q、ディーゼル車で5000qが標準的です。一般的な使用で
は、5000qごとに交換するターボ車ではエンジン内の汚れはさほど目立ちませんが、10000q以上使用
すると、茶色に着色したような状態になってきます。このため、よほど高性能なオイルでない限り,
NAでも10000q以下で交換した方が良いと思います。ただし、これには精神的な要素もかなり含まれて
いて、メーカー指定の1万5000qで交換し、エンジン内のパーツが変色していても性能に影響するほど
のダメージはないそうです。
ただし、費用がもったいないという理由で、メーカー指定の距離を過ぎるのは良くありません。エンジ
ンの中にスラッジという黒色のヘドロ状の物質がたまり、潤滑性能が低下するだけでなく、オイルの
通路などを塞いでしまい、焼き付きやオイル吹き出しなどのトラブル原因となってしまいます。オーナーによっては、減ったオイルを足すだけという人もいるようで
すが、これでは汚れが溜まる一方ですから全量交換しましょう。
★エレメント交換について
オイル交換2回に1度はオイルフィルターの交換もやっておく必要があります。フィルターは、オイル中
に含まれるゴミを取り除いてきれいなオイルがエンジン内に回るようにするためのものです。オイル交換5000qごとなら2
回に一回、1万q以上ごとの交換なら毎回交換した方がいいでしょう。
★料金は…
あるガソリンスタンドを例に
SJ…軽自動車で3300円、普通車で4400円、大型車で5500円程度。
SH…軽自動車で2400円、普通車で3200円、大型車で4000円程度。
※工賃も含む
エレメント交換が1500円です。
★高速道路でのJAFロードサービス出動件数
順位 | 故障内容 | 件数 | 構成比(%) |
1位 | タイヤのパンク、バースト、エアー不足 | 42,667 | 21.6 |
2位 | 燃料切れ | 26,625 | 13.5 |
3位 | 事故 | 19,982 | 10.1 |
4位 | 過放電バッテリー | 7,867 | 4.0 |
5位 | キー閉じ込み | 6,460 | 3.3 |
★タイヤの空気圧は放っておいても自然に低下。月1度は点検したほうがいいです。
空気圧が高すぎると…
(1)乗り心地悪化 (2)タイヤ寿命低下 (3)センター磨耗促進(タイヤの真ん中ばっかり減る)
空気圧が低すぎると…
(1)燃費低下 (2)ハイドロプレーニング現象 (3)バースト (4)両肩べり磨耗促進(タイヤの端が減る)
★点検方法
ガソリンスタンドで「空気圧を見てください」と言うと、無料でしてくれます。
セルフスタンドでは、エア充填機が置いてあるので自分でできます。標準の数値は2.2です。(高速道路に乗る前はちょっと高めに2.4)
バッテリーが弱ってくると、セルの回りも弱く、エンジンの掛りも悪くなり、最悪始動もできずに、
車がただの鉄の塊になってしまう。しかも大事な時に、よりによって変な場所で起こってしまう事も
しばしば・・・
★点検は…
基本的には、液量のチェックができるバッテリーであれば量をチェックし、補充口があれば、6つの
穴から満遍なくFULLラインまで補充する。
★交換は…
使い方一つで、半年で使えなくなったり、逆に5年間使っても全く問題ないなんて言う事もあり、バッ
テリーの寿命は、それぞれのクルマの使用状況で大きく変わってくる。一般走行の場合は使ってるバッ
テリーの性能保証期間内(大抵2〜3年)で交換したほうが無難。
オートマのメンテンスと言えば最近になって一般化してきたATF(俗に言うオートマオイル)の交換
。大抵の場合、2〜4万キロの間で交換を推奨しているディーラーや、お店が多いのが現状。
確かに、これくらいの距離を使用すると大抵のATFは痛み黒ずみはじめ、交換が必要?とも思われ
がちだが少し前まではATFの交換といったメンテナンス自体が存在しておらず、ATFは廃車まで触
る物ではないと言う考え方が一般的だった。その時代を知っている人ほど、本当に必要なのか?と困惑
する人も多いのではないだろうか?
★点検は…
とにかく見ておきたいのは、ATFの量である。ただこの量を見る場合に注意したいのがメーカーや
車種によって方法が違うという事。
測定方法が、「エンジンを動かしながら」とか「エンジンを停止してすぐに」など統一性があまりな
いのでチェックするときは、各車の測定方法に従うこと。さらに量をチェックするのに使うゲージもエ
ンジンオイルと似たようなゲージが大半なのでくれぐれもエンジンオイルと間違えないよう・・・。
更に一部のクルマには、「触るな」と言わんばかりにゲージが無い物もあるのでそんな時は、ディー
ラーや工場などにチェックを依頼するのが無難だろう。
★交換は…
ATFの交換を薦めているお店やガソリンスタンドでは「2万キロ走行ごと」の交換を推奨していると
ころが目に付く。たが、よほどクルマを酷使して乗ってない限りその位の走行距離では、ATFがダメ
になってることは意外と少ないのだ。ちなみにメーカーの推奨交換頻度はクルマによってまちまち。大
抵は3〜4万キロが中心で、中には、無交換を指定するクルマまであり、どの車種でも2万キロ交換と
決め込んでしまうと少々過保護な部類のメンテナンスになる事のほうが多いようだ。
期間的な交換目安だが、新車保証付ならメーカーの指定頻度、それ以外の場合は、基本的にATFへの
不純物の混入などがほとんど無いことを考えると、あまりシビアになる必要はない。多くのメーカーで
、3〜4年あたりを推奨していることが多いのを頭に入れ参考にしておくと良いだろう。
LLCは本業のエンジンを適温で保つという冷却の役割の他に、副業として暖房の熱源にもなる、かな
り働き者の液体。しかしそんな重要な働きにもかかわらず、成分の半分以上が水から成っている。
基本が水だけ?に、劣化するとヘドロが発生する事も多く、またLLCの防錆効果が薄れ錆が出た
りと、メンテナンス不足が、原因で本来の仕事である冷却に悪影響を与えるどころか、ラジエターなど
の補器類にダメージを与えたり、余計な負荷を掛けたりしてしまう。また、液量が不足すればオーバー
ヒートからエンジンの焼きつきに発展してしまう事もあるので、決して「水だから」といって馬鹿にし
てはいけないシロモノなのである。
★点検は…
最近の新型車の中には、10年レベルのメンテナンスフリーを掲げる物も出てきてはいるが、まだごく一部
でしかなく、未だ大抵のクルマはそうではない。しかもエンジンに致命的ダメージを与える可能性のあ
る部分なだけに、少なくても点検だけは忘れずに行いたい。
点検をする際は必ずエンジンが冷えているときに行い、LLCのリザーブタンクに付いている目盛りと目
盛りの中間に液面があればOK。エンジンが温まった状態ではLLCの体積や圧力が変わってリザーブ
タンクを行き交いして正しく見れないので必ず冷えているときにチェック。 そして少ない時には、で
きるだけ早い段階で補充、多すぎる時は目盛りの所まで抜く事。
★交換は…
LLCは、かなり重要な役割を担っているにもかかわらず、 交換サイクルがエンジンオイル等と比べると
かなり長いので、交換自身を忘れてしまっている人も多いようだ。
しかし、そのまま無交換で放置しておくと、突然のエンジントラブルなどで 致命的な故障にまで発展
する場合もあるので、ある程度予防的に交換をする方が無難だろう。
交換頻度は、基本的にメーカー推奨レベルの期間で問題はないようだが、 一部のクルマやメーカーに
よっては、ラジエターの品質や冷却系の防錆加工が良くない物もあり、場合によっては推奨時期の交換
では遅いケースも見受けられるので、交換の際に交換したLLCをチェックして、あまりにヘドロや錆
がひどいようなら、交換頻度を少しづつ早めていった方が良いだろう。
昔の車はパワーステアリングがついていなかった。いわゆる「重ステ(オモステ)」。最近の車にはパ
ワーステアリングの装備が当たり前になっている。たまにオモステの車を運転すると、力いっぱいハン
ドルをきらなくてはならず、曲がるのも一苦労だ。
とにかくパワステは、この力仕事から開放してくれたとても便利な装備なのである。
★点検は…
基本的な点検といえばパワステフルードの量を見るくらいだが、 汚れがあろうが、フルードが入って
いる事が一番重要なのである。
通常の点検としては、少し走行をするなどしてパワステ自身を暖めてからパワステフルードの予備タン
クにある目盛りもしくは、ゲージのHOTと書かれたラインの内側にフルードが入っているか?確認す
るくらいだ。
基本的に派手な走り(スポーツ走行?)などで極端に負荷を掛けることをしない限り、 吹いたりする
ことは、ほとんどないので、元々入っている量が減っている場合は、どこかで漏れているか、もともと
システムに弱点(悪い癖?)がある可能性が考えられる。
もし量が減っていたなら、補充するとしても1度くらいにしておき、後日再確認をした際、 減ってい
るようなら、フルード漏れのチェックや修理、改善も考えたい。
★交換は…
パワステのシステムもギヤやシール材などが使われてる以上、フル―ドの変質で悪影響が出る可能性が
否定できないのが現状である。その可能性をある程度回避する為には、フルードがどろどろのヘドロ状
になり、余計な負荷が掛かるようになってからでは遅いのである。
大抵の場合4〜5年だとまだヘドロ状にはなっていないものの、黒く変色している物が多く、新品の色
(ほぼ透明もしくは赤)から比べると、やはりそれなりに変色はしている。また、せっかく新品に交換
をしても、早いうちに、新しいフルードが黒く染まってしまうのでは、気分的に許せない人もいるだろ
う。
それから考えると、フル―ドの色が気になると言う人であれば一般的に言われている2〜3年程度、気
にならないと言う人は3〜4年程度が妥当な線ではないだろうか?
その時期が来てからフルードの状態をチェックし、交換を考えると言う方法でもまず問題はないだろう
。また、いつも「定員ギリギリ」や「荷物満載」、「車庫入れ時の切り替えしが多い」等、パワステに
負荷が掛かることが多い場合は、当然フルードの劣化も早いので、若干交換サイクルを早める事も考え
に入れたい。
予定している交換時期が夏に差し掛かる時期であれば、夏前に交換を済ませることで、劣化の一因で
ある、熱に対して、少しだけアドバンテージが取れることも合わせて覚えておこう。
雨の日や、フロントガラスに泥等が跳ねていて視界が悪い時に必要。
カー用品店やガソリンスタンドでウインドウォッシャー液を購入し、エンジンルームにあるウォッシャ
ータンクに入れ、水で満タンにする。
夏場など湿度が高い時は空気に水分が多く含まれている。夜に気温が下がると結露して水が生成され
ガソリンより比重が重いので底に溜まってしまう。 水抜き剤を入れると? 水抜き剤はメチルアルコ
ールという重質のアルコールで、水とガソリンの間に入って両者を結び付ける働きがある。その結
果、燃料といっしょに水がエンジン内に入っていき排ガスとして排出される。
水抜き剤の主成分はアルコールで、タンクの底に溜まった水分をガソリンと混ざりやすい状態にして一
緒に燃焼させてしまうもの。通常水とガソリンは混ざらず、ガソリンよりも水のほうが重いので、
結露等によってタンク内に水分が入り込むと底の方に溜まってしまい、錆びやエンジントラブルの原因
となる。そこでアルコールをつなぎとして混ぜることで水分をガソリンに混ぜてしまい一緒に燃焼
させることで水抜きを行う。
★ガソリン用と軽油用がある
カー用品店等で1本100〜200円位。エンジン洗浄剤が一緒になっているもので500円前後。
頻度として、半年に1〜2回、30リッターで1本入れる。入れる際、水抜き剤を入れてから給油する。